メディカルメイクアップアーティストになるには?目指すための資格やスキルと専門学校の選び方
最終更新日:2021年11月05日
メディカルメイクアップアーティストとは、病気やケガでできてしまった傷や傷痕などを、メイクによってカバーする仕事のことです。医療分野と密接にかかわる仕事ですが、メディカルメイクアップアーティストになるために必須の資格はありません。
メイクの専門学校などでメイク技術を磨きつつ、メディカルメイク(医療メイク・カバーメイク)のやり方を学ぶのがおすすめです。詳しく確認していきましょう。
目次
メディカルメイクアップアーティストとは?
病気やケガなどで、皮膚が変色したり目立つ傷ができたりしてしまうことはよくあります。身体に傷があったとしても、日常生活を送るための動作は問題なく行うことは可能ですが、周囲の視線が気になって社会復帰ができなかったり外出を苦痛に感じてしまったりしている人は少なくありません。
メディカルメイクアップアーティストは、そのような悩みを抱えている人に対してメイクを施します。メディカルメイクは、メイクによって皮膚や肌の傷を目立たなくすることで、気持ちを明るくし、社会復帰を応援するという目的で行われているのです。
メディカルメイクの技術は、日夜進歩を続けていて、今では傷跡や変色などもほとんど目立たなくできるようになっています。
なお、似たような仕事に「メイクセラピスト」がありますが、こちらは心理学を取り入れつつ、なりたい自分になるためのメイクを施すことでQOLを高めるケアであり、メディカルメイクアップアーティストとは少し仕事内容が異なります。
メディカルメイクアップアーティストが活躍できる現場
メディカルメイクアップアーティストが活躍できる現場は、主に医療現場になります。
- 大学病院
- 皮膚科
- 形成外科
- 美容外科
などがあげられます。
今は、メディカルメイクアップアーティストが常駐していない病院も多いようですが、今後、認知度が高まるにつれて、メディカルメイクアップアーティストを常駐させる病院が増えていく可能性があります。将来的には、より活躍の場が広がっていくと考えられるでしょう。
メディカルメイクアップアーティストになるには?
メディカルメイクアップアーティストになるには、メイクを学べる学校に入学し、メディカルメイクアップアソシエーションの講座を受講するのがおすすめです。
独学でも目指せる?
メディカルメイクと聞くと、特別な医療資格などが必要になりそうなイメージがあります。しかし、メディカルメイクは無資格でも行うことは可能です。
ただし、患者さんの悩みを解決するために、通常のメイクの知識はもちろん、メディカルメイクの知識や技術を身につけることが必要になります。高度なカバー技術など、一般的なメイクとは異なるメイク技術が必要になるためです。
このようにメイク技術が高くないと、メディカルメイクの実践は不可能です。独学では学べる範囲に限りがありますから、メディカルメイクアップアーティストを目指すのは難しいでしょう。
メディカルメイク(医療メイク・カバーメイク)を専門で学べる学校はあるの?
メディカルメイクアップアーティストを養成するための学校は、今現在はありません。
ただし、メディカルメイクアップアソシエーション(※)というNPO法人が、メディカルメイクの技術をレクチャーする各種講座を開催しています。
この講座を受講すれば、メディカルメイクアップアーティストになるための基本的なスキルを習得することができるでしょう。しかしながら、この講座は、ある程度のメイク技術がある人を対象に行っています。
まずは通常のメイク専門学校やスクールで学んで、メイクスキルを身につけるようにしましょう。
その際には、メイクアップビューティセラピー講座というカリキュラムがあり、メイクの力で外見的悩みの軽減・解決をするための技術を学べるニューヨークメイクアップアカデミーのような学校に通うのがおすすめです。
他にも、メディカルメイクを学べる学校はありますので、ご自身に合う学校を選んで受講してみてください。
(※)白斑や母斑、血管腫を自然に隠すカバーメイク|メディカルメイクアップアソシエーション(MMA)
どんな授業内容?
メディカルメイクアップアソシエーションの各種講座では、以下のようなことを学びます。
基礎講座
メディカルメイクアップ方法の基礎を学ぶ講座
ファンデーションの使い方、重ね方、
カバーの仕方を学びます。
時間 27時間 (6日間の受講が必要です)
受講料 129,800円(消費税、教材費を含む)応用講座
メディカルメイクアップ技術の応用を学ぶ講座
基礎講座を修了された方を対象に、実際に症状を持つ方への技術を実習形式で学びます。
症状ごとに試験を行い、講座出席及び全症状合格者には修了書を発行致します。
時間 20時間 + 試験※出席人数 症状により時間の短縮があります
受講料 111,760円(消費税、教材費を含む)出典:各種講座のご案内
通常のメイクアップの手法は学べませんので、まずはメイク学校などで基本的な技術を学んでおく必要がありそうです。
未経験の方はこちらの記事を参考にしてください。
メディカルメイクアップアーティストだけのやりがい
やりがいは、笑顔に出会えるという点にあるでしょう。生まれつきのあざや皮膚の変色などは、命にかかわるものではありません。しかし、患者さんの心には大きな影響を与えます。
性格が消極的になったり、内向的になったりする方も少なくないのです。しかし、メディカルメイクアップを通して、悩みをカバーできることがわかれば、精神的な負担は軽減されます。なかには、人生や性格が変わる人もいます。そんな喜びの場に立ち会えることこそが、大きなやりがいになるでしょう。
メディカルメイクアップアーティストに必要な資格やスキル
メディカルメイクアップアーティストになるための必須の資格はありません。ただし、以下のような資格などがあると就職に有利になりそうです。
- メディカルメイクアップアソシエーション(MMA)講座:https://www.medical-makeup.net/
- メンタルメイクセラピスト検定: https://www.kentei-mmt.org/
など
他にも、メイクセラピー検定なども取得しておくと活躍の場が広がるでしょう。
おわりに:メディカルメイクアップアーティストは、メイクの力で誰かの人生を明るくできる仕事
メディカルメイクアップアーティストは、メイクの力で患者さんの心を癒して、人生を変えてあげることもできる仕事です。笑顔に出会える仕事ですから、大きなやりがいがあるでしょう。
無資格でもメディカルメイクアップアーティストを名乗ることはできますが、高度なメイク技術がないと、メディカルメイクの実践は不可能です。まずはメイク技術を習得できる専門学校への入学を目指してみましょう。